塾講師カミノ@塾のお悩み解決部屋

受験が嫌いな現役塾講師です

医療系に進むというコト【塾講師の医学部論】

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はじめに

医師のみならず、薬剤師や看護師、獣医師など、

医療系の大学に進学したいという学生さんは多いと思います。

特に看護系は女性志望者が非常に多い印象があります。

 

『医療系は安定している』

おそらくそういうイメージが浸透しているでしょう。

国家資格なこともあり、食いっぱぐれることはまずありません。

収入的にも安定していることから、医療系を目指す人は多いと思います。

 

確かに医療系は将来のことを考えれば選択肢の一つとしてとても大きいです。

ですがそれが本当に正しい選択肢なのかをもう一度よく考えてほしいのです。

医療系に進む意志が固いとしても、もう一度考えたいことです。

 

医療系は確かに収入的に安定しています。

それはつまり、負担が大きいことも意味しているのです。

どんな負担がかかり、どんなに過酷なことなのか、考えたことがありますか。

それをこの機会にきちんと考えてみてほしいのです。

 

そこで今回は医療系を進む人が向き合うべき話題について話したいと思います。

今回はあまり薬学系の人には当てはまりません。

主に医学科や看護系が対象となるお話です。

 

途中、つらくて目をそむけたくなるかもしれません。

そうなったら途中で読むのをやめてくれてもかまいません。

それでも医療系に進む覚悟のある人には絶対に読み進めてほしい内容です。

それでははじめましょう!

 

 

 

 

患者と接する覚悟

まず、患者さんと接することを意識してほしい。

『当たり前だろ!』と思うかもしれません。

皆さんの想像する患者さんはたぶん従順で素直な人のイメージだと思います。

 

ですがそうじゃない患者さんもいます。

言うことを聞いてくれず、ワガママな患者さんも多いと思います。

認知症の患者さんを相手にする場合、全く思い通りにならないことも多いでしょう。

あるいは客気取りでエラそうに命令してくる患者さんもいます。

こうした患者さんと向き合うという現実をまずはしっかり把握してほしいですね。

 

まあこれは私も塾講師の経験から話せます。

客気取りで言うことを聞かない生徒。

何なら親にも客気取りな人はいますから、タチが悪いですね。

 

まあこのくらいなら一般的な職業の人にも当てはまります。

なのであまり重要ではないかもしれません。

医療系特有の厳しい点の一つに、仕事時間の厳しさが挙げられます。

 

通常の職であれば、勤務時間がある程度限られます。

店の営業時間なり、会社の勤務時間なり・・・。

ある程度限られた時間での勤務となります。

確かに残業はありますが、基本的には昼時間の勤務が中心となるのも特徴です。

 

ですが医療系は話が変わってきます。

患者さんに24時間向き合う仕事をするわけです。

だから夜中も昼も平等に仕事が襲い掛かります。

仮眠している間に緊急の仕事が入り、叩き起こされることもあります。

私の身内に医者がいますが、その人は3日間一睡もしない時すらあったそうです。

もはやブラック企業がかわいく見えますね・・・。

 

医療系に接すると言うことは24時間患者に向き合うというコト

クレーマーのような患者さんと向き合う必要もあるし、

安眠もままならない生活を強いられる可能性もあります。

 

それが数日で終わるわけではありません。

その仕事をしている限り、一生そんな生活を強いられます

それでも本当に医療系を目指すのか、考えてみてほしいですね。

 

 

 

 

患者のつらいところを見る覚悟

冒頭で医療系の安定した収入を代償に負担を強いられるという話をしました。

その一つが、患者の死に向き合うということです。

 

数年前、看護師が高齢の患者さんを何人も殺害するという事件がありました。

その病院は終末期医療を重点的に活動していました。

要は余命が近く、すぐ亡くなる患者さんを扱っている病院ですね。

殺害犯の看護師は多くの人が亡くなる現場に長年居続けた人というコト。

人がたくさん亡くなる現場を目の当たりにし、精神的に病んでいたのだと思います。

 

殺害動機は『患者の親族への対応が面倒だった』だそうです。

我々からしたらそんなことで殺人を犯すのは信じられません。

ですが犯人は看護師として、多くの患者の死と向かっていました。

命が軽く散る現場に長年居たことで、命が奪われる抵抗を失った。

殺害することに抵抗がない精神状態が生まれた。

そうして躊躇なく殺害に至った。

そうなっても不思議ではないと思います。

 

医療の現場に携わるというのはそういうことです。

命に向き合う現場に携わるとはそういうことです。

自分が狂ってしまってもおかしくない。

そういうところで働き続けると言うことです。

 

医学部医学科に進学できたのに、医者の道を断念した医学生は多いと聞きます。

せっかく努力して入学したのにあまりにもったいないと思うかもしれない。

ですが命に向き合う現実に直面すれば、逃げ出したくなる気持ちもわかります。

 

医学部医学科の授業では遺体の解剖をします。

人の死体にメスを入れ、おもちゃのようにバラバラにして調べつくします。

グロいという言葉がちっぽけに感じるほどの残酷な行為を平然とせねばならない。

そんな現実、逃げ出したくもなりますよ。

 

他にも人の排せつ物や体液なども観察しなければならない。

排せつ物をもらした患者さんの世話もしなければならない。

医療系には残酷な仕事がたくさんあります。

これらすべてを当然のようにこなさなければならないのです。

 

安易に高収入に飛びつき、命を扱う現実を軽視した。

そういう学生は間違いなく後悔すると思いますよ。

 

 

 

 

代替案のおススメ

以上が医療系の現実についてでした。

ここまで見て、目を背けなかったならそれだけでも素晴らしいと思います。

ですがここまで見て、さすがに嫌になった人もいるかもしれない。

そういう人に私がおススメするのが『栄養学』関連の分野に進学することです。

 

医療に携わりたいと思う以上、おそらく人の健康に貢献したいはずです。

栄養学など、食の観点からも人の健康に役立てられるはずです。

何も病気の人を治すだけがすべてじゃない。

別の分野からでも、人の健康に役立つことはできるのです。

 

栄養関連については栄養士や管理栄養士といった資格もあります。

確かに職の安定は医療系ほどではないかもしれません。

ですが国家資格なので貴重な存在として扱われます。

そのうえで人の健康に役立つこともできる。

という意味では、私は栄養学をおススメしますかね・・・。

 

もちろん過酷な勤務体制もあるでしょう。

ですが医療系ほどではないと思いますね。

医療系のように夜中叩き起こされるわけでもない。

命の散り際に向き合わねばならないわけでもない。

そういう意味でも、栄養学の分野は好ましいと思いますね。

 

また、病気は何も人に限りません。

世の中にはたくさんの病気があります。

残業が当然の勤務体制、環境破壊を助長する諸問題、格差を生み出す貧困など。

とらえ方によっては、これらは社会を救う病気です。

これらを治療するための仕事に就く。

これだって、立派な医療行為だと思います。

病気を治すという意味だけで言えば、医療系以外でも方法があると思いますね。

 

 

まとめ

以上が私の医療系への意見でした。

これまで申し上げたことからもわかるように、私は医療系をおススメしていません。

確かに親御さんや学校の先生など、世間が医療系をおススメします。

ですがそれだけで判断するのはやめたほうがいいと思いますね。

 

収入や資格など、生活の安定という観点でだけで考えれば間違いなく後悔します。

医療系は患者さんの醜い部分に向き合うというコト。過酷な勤務であるコト。

そして患者さんの命と向き合うコトだと言うことを忘れないでほしい。

 

これらすべてを覚悟したうえで医療系を目指すのなら、反対しません。

ですがムキになって医療系にすがっても、良いことはあまりないと思いますね。

今一度、自分の進路が本当に正しいのか、考えてみてほしい。

資格や収入、それ以外の志望理由を考えてみてほしい。

それを明確に持ってから医療系を志望したほうがいいと思いますよ。