塾講師が依怙贔屓(えこひいき)する理由
はじめに
塾講師はどの生徒にも平等に接しなければならない。
それはわかっていても、つい特定の生徒を特別扱いしたくなる。
知らず知らずのうちに贔屓(ひいき)してしまうことがあります。
悪く思わないでほしい。
我々だって人間です。
人を自分の好き嫌いで決めてしまうのは避けられません。
皆さんだってそうだと思います。
『良いな』と思った友達には仲良くしますし、
『嫌だな』と思った友達とは距離を取りたくなりますよね。
依怙贔屓(えこひいき)してしまう原理はそれと同じだと私は思っています。
依怙贔屓(えこひいき)をされている同級生を見て嫌だと思う生徒、
そういう生徒は自分が贔屓(ひいき)されたいと思っているだけだと思います。
別に贔屓(ひいき)されたいと思うのは変なことではありません。
『食べたい』、『寝たい』のような欲求と同じで、人間だれしも願っている願望ですよ。
ですが依怙贔屓(えこひいき)をされたいのであれば、それ相応の変化が必要です。
自身の対応を一つずつ変えてみると良いでしょう。
それだけで先生が自分に優しくしてくれる可能性は高まります。
自分だけに優しくしてくれるともなれば、当然うれしくもなると思いますよ。
ではどう対応したら先生が贔屓(ひいき)してくれるのか。
その具体的な話をしていこうと思います。
贔屓(ひいき)したくなる生徒の特長①
一つ目の特徴は話にノッてくれて、講師側の話を肯定してくれることです。
塾講師をしているとよくあることですが、
こちらの話をするたび、その話を自慢のようにとらえたがる生徒が多いんですよね。
そしてすごく嫌な顔をされることが多いです。
こちらは自慢のつもりがないのに、そう捉えられてしまうんですよね。
そうされると、こちらから話しにくくなってしまいます。
そして無口で不愛想な対応しかできなくなってしまいます。
それが冷たいととらえられ、生徒は『自分が冷遇されている』と誤解します。
ですがこっちとしてはそんな接し方をせざるを得ません。
生徒側に嫌な顔をされてまで話そうとする気はありませんからね。
しかも生徒に話を聞き出そうにもこたえようとしない。
そうなれば、まあやってられませんよ。(汗)
ですがこちらの話を聞き入れてくれる生徒にはいくらでも話したくなります。
講師も人間なので多少の自慢話は入ってしまいます。
それでも気にせずに聞き入れてくれ、肯定してくれれば、当然会話も弾みます。
そういう生徒とはいくらでも仲良くしたくなりますよ。
贔屓(ひいき)したくなる生徒の特長②
二つ目の特徴は一生懸命行動するところを見せることです。
塾や学校は当然勉強をしに行くところです。
そして成績を上げに行くところです。
それなのにそもそも成績を上げる気がない。
『義務教育だから』とか『親に無理やりこさせられた』で勉強しに来る生徒。
そういうお客気分丸出しの生徒には不快感しかいだきません。
逆に意欲的に勉強し、マスターしようとする姿勢を身につけてくれる生徒、
そういう生徒には当然のごとく、好感をいだきます。
できないところをできないなりに質問しに行く、
あるいは宿題や課題をきちんとこなしている、
そういった姿勢が見える生徒には講師側も応援したくなります。
別に完璧にする必要はありません。
結果的に完璧にできなかったとしても、それは重要ではありません。
やらされている感じを見せず、自分から勉強しようとしましょう。
そういう生徒を、講師側は特別扱いしてしまいますよ。
逆に言えば、こうした行動が伴っていない生徒はどんなに媚を打たれても嫌ですね。
ご機嫌取り丸出しの発言ばかりでは逆に嫌われるので注意してください。
大切なのは言葉よりも行動。
一生懸命な勉強、質問しに行く姿勢、課題のこなし具合など・・・
こうした行動が伴うからこそ、講師側にも喜ばれるのです。
言葉ではなく行動の伴った意欲、
それを講師にきちんと見せつけてほしいなと思います。
さいごに
誤解の内容に言っておきますが、無理して講師に気に入られようとする必要はありません。
嫌な講師とは距離を取ればいい。
講師側の自慢話がしつこすぎるのなら、嫌そうな反応を時折見せるのも必要です。
ですがだからといって徹底的に講師を避ける行動をするのもいただけません。
そのクセ講師に気に入られないのを不服に思うのだから、
講師としては面倒でしかないですね。
よほど嫌悪感のない講師が相手なら、気に入られるに越したことはないと思います。
仲良くなれれば、なんだかんだで生徒側もうれしいはずですよ。
また、すでに言ったことではありますが、
依怙贔屓(えこひいき)と媚売りを混同しないでください。
必要なのは行動です。
口ばかりで行動の伴っていないは逆に嫌われますよ。
依怙贔屓(えこひいき)される振る舞いは講師に対してだけではありません。
友達や部活の先輩・後輩、親など、
様々な人付き合いの中で通用する技術です。
良好な人間関係を築く訓練だと思って、
講師を実験台にしてもいいと思います。
愛想良くするだけではダメ、
言葉ばかりでもダメ、
キチンと相手を肯定し、行動で示す。
どんな場面でも通用するこの技術を、この機会に身につけてみてはいかがでしょうか。